2026年3月1日、医療法人下地診療所(沖縄県宮古島市)で
BCP訓練を実施しました。
テーマは、
「迷わず、悩まず、ブレずに判断・行動できる!BCP初動対応訓練(自然災害編)
~自分と利用者の命を守るために~
医療・介護の現場では、
災害発生直後に一般企業のように単純に業務を止めればよい、
というわけにはいきません。
むしろ、
災害時の医療・介護への需要は爆発的に増加し
使える資源は極端に減少する
という厳しい状況に置かれます。
だからこそBCPは、書類を整えるためのものではなく、
人命保護・被害極限・早期復旧のために
平時から準備しておく
“実戦的な計画”
でなければなりません。
また、BCPが未整備のままだと、
被災時の安全確保と事業継続が困難になるだけでなく、
行政指導の対象となる可能性や、
利用者・家族からの信頼低下、
現場の不安増大にもつながります。
今回の訓練は、そうした“未策定のリスク”を現場目線で具体化し、
使えるBCPへ変える第一歩
として実施しました。

研修の目的
今回の研修目的は、次のとおりです。
✅発災直後、上司に確認できなくても判断・行動できる基準を持つこと
✅「まず自分自身の命を守る」という大前提を、全員で共有すること
✅最悪シナリオを具体的にイメージし、時系列で起こりうる事象を可視化すること
✅状況ごとに必要な判断・行動を整理し、判断・行動基準カードのアイデアを作ること
✅現場で本当に使えるBCPに向けて、職員間の意思統一を図ること

研修のハイライト
1 「あなたが無事でなければ、地域医療は守れない」という原点の共有
発災直後に通信が途絶え、上司の指示を仰げない孤立状態を想定し、
何よりも先に自分の命を守ることの重要性を説明しました。
BCPの出発点は、書類や体制図ではなく、
最初の一歩を迷わず踏み出せる状態を作ることです。
2 医療・介護業界特有の厳しさを前提に考える
災害時、医療・介護の需要は増えるのに、
使える人・物・金・情報は減ります。
この現実を直視しなければ、BCPは机上の空論になります。
私は元海上自衛隊作戦教官として、
「希望的観測ではなく、最悪を起点に組み立てる」
という発想で、現場が置かれる本当の厳しさを共有しました。
3 時系列で“最悪シナリオ”を可視化するワーク
ワークでは、震度7の緊急地震速報と津波警報が発令され、
30分後に津波到達が予想される状況を設定しました。
そのうえで、
事業所内・移動中・利用者宅
という3つの場面に分け、
何が起こり、何を判断し、どう行動するか?
を時系列で書き出すワークを行いました。
抽象論ではなく、現場で起こると“困ること”
を具体化したことが、
参加者の大きな気づきにつながったと感じています。
3 判断と行動を“権限”で仕分ける訓練
混乱時には、すべてを上司確認に回すことはできません。
そこで、各判断を
A:自分で判断・行動してよいこと
B:上司の許可が必要なこと
C:条件が整えば自分で判断・行動してよいこと
に分類しました。
これは企業研修でもよくお伝えするのですが、
平時から権限と基準が整理されていない組織は、
有事に必ず止まります。
今回も、参加者の皆さまが
「どこまで自律的に動けるか」
を真剣に議論していた姿が非常に印象的でした。
4 “判断・行動基準カード”という実務に落ちる成果物
訓練の主眼は、正解探しではなく、
判断・行動基準カードのアイデア出しでした。
カードには、自身の安全確保、利用者の安否確認、参集基準、連絡先など、
災害発生直後に必要な基準を整理します。
こうしたカードを全職員で共有することで、
命を守り、冷静な行動を促し、初動を円滑にし、
BCPの発動性を高めることができます。

私ならではの視点
私は海上自衛隊で作戦教官を務め、
限られた情報・時間・資源の中で、どう判断し、どう動くか?
を長年教えてきました。
災害対応でも本質は同じです。
有事に現場を止めるのは、情報不足そのものよりも、
楽観・現状維持・諦め、そして「誰かが指示してくれるはず」
という思考です。
だから私は今回の訓練でも、初動対処として
現場で命を守るための判断と行動
を重視してお伝えしました。
受講者の学びと気づき
今回の訓練では、参加者の皆さまが
「BCPは管理者だけが考えるものではない」
「他人任せで作ったBCPは使えない」
と実感できたことに、大きな価値があったと感じています。
模造紙やポストイットを使って状況を可視化していく中で、
現場ごとに見えているリスクが違うこと、
そして、
共通の判断・行動基準がなければ初動は確実に遅れる
ことが浮き彫りになりました。
最終的には、楽観や思い込みを脱し、
まずはリカバリーと初動対応から整えるべきだという
方向性を全員で確認できた、密度の高い訓練になりました。

ご希望に応じて講演・研修対応いたします
当社は現場に合わせてフルカスタマイズして設計・実施します。
災害対応、BCP、危機管理訓練は、
業種や組織規模、拠点特性によって設計が大きく変わります。
私は今回のような医療・介護現場向け訓練だけでなく、
企業向けのBCP研修、災害対策本部運営訓練、図上演習、
管理職向け危機対応研修なども、
課題に応じてフルカスタマイズで対応しています。
「自社のBCPが実際に使えるのか不安」
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「研修と演習を組み合わせて実効性を高めたい」
そのようなお悩みがあれば、ぜひご相談ください。
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